メタボリックシンドロームを解消しよう No1.
献立作成者:広瀬輝美 |
平成20年4月より、メタボリックシンドロームの概念を導入した特定健診・特定保健指導が義務化されます。
(この義務は、医機関や国民が負うのではなく、医療保険者が負うことになります。)
高齢化の急速な進展に伴い、疾病構造も変化し疾病全体に占めるがん、虚血性心疾患・脳血管疾患・糖尿病等の生活習慣病の割合は増加し、死亡原因でも生活習慣病が6割と占め、医療費に占める生活習慣病の割合も国民医療費の約3分の1となっています。
生活習慣病の中でも特に心疾患、脳血管疾患等の発症の重要な危険因子である糖尿病、高血圧症、脂質異常症等の有病者その予備軍が増加しており、またその発症前の段階であるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者と予備軍と考えられる者を合わせた割合は、男女とも40歳以上では高く、男性では2人に1人、女性では5人に1人の割合に達しています。
このような現状から国民のメタボな体を改善させようと特定保健指導が始まります。
いままで健診結果で「医療機関に受診して下さい」という連絡が届いても、自分の都合で「そのうち時間ができたら受診しよう」と放っておいた人もいるかもしれません。
しかし、これからはそうはいきません。保険者である会社や地域が責任をもって指導を実施していくことが義務づけられるのです。
この特定健診・特定保健指導の目指すところは、国民の生涯にわたっての生活の質の維持・向上と医療費の削減です。
下図を見ると、不健康な生活習慣から生活習慣病の発症、その後の重症化という過程の中で、メタボリックシンドロームが大きく影響していることが分かります。
また、メタボリックシンドロームに着目した対策が有効と考えられる3つの根拠として
第1の根拠 肥満者の多くが複数の危険因子を併せ持っている
第2の根拠 危険因子が重なるほど脳卒中、心疾患を発症する危険が増大する
第3の根拠 生活習慣を変え、内臓脂肪を減らすことで危険因子のすべてが改善する …となっています。
まず、健診結果から今のご自分の体を知ることから始めましょう
一次 | 二次 | 三次 | 科学的根拠 | ||||
発病を予防する | 早期発見、早期治療をする、血管変化の予防 | 発病後、進行を抑制し、再発や重症化を防ぐ | |||||
血管が痛む 動脈硬化の危険因子 | 内 臓 肥 満 |
BMI | 〜24.9 | 25.0〜 | 日本肥満学会 | ||
腹囲 | 男性85cm未満 女性90cm未満 |
男性85cm以上 女性90cm以上 |
日本肥満学会肥満症診断基準検討委員会 | ||||
中性脂肪 |
〜149 | 150〜299 | 300〜 | 老人保健事業における循環器疾患指導区分に関する検討 | |||
HDL コレステロール |
40以上 | 35〜39 | 34以下 | 老人保健事業における循環器疾患指導区分に関する検討 | |||
イ ン ス リ ン 抵 抗 性 |
血糖 | 空腹時 | 〜109 (※〜99) |
110〜125 (※100〜125) |
126〜 | 日本糖尿病学会老人保健事業における糖尿病指導区分に関する検討 | |
HbAlc | 〜5.4 (※5.1) |
5.5〜6.0 (※5.2〜6.0) |
6.1〜 | ||||
尿糖 | (−) | (+) | (++)〜 | ||||
血 管 を 傷 つ け る |
血圧 | 収縮期 | 〜139 | 140〜159 | 160〜 | 日本高血圧学会高血圧ガイドライン | |
拡張期 | 〜89 | 90〜99 | 100〜 | ||||
血清尿酸 | 〜6.9 | 7.0〜7.9 | 8.0〜 | 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン | |||
その他の 動脈硬化の 危険因子 |
総コレステロール( )内50歳以上女性 | 150〜199 (150〜219) |
200〜239 (220〜259) |
240〜 (260〜) |
老人保健事業における循環器疾患指導区分に関する検討 | ||
LDLコレステロール | 〜139 | 140〜159 | 160〜 | ||||
血管 変化 |
血 管 の 損 傷 が わ か る 項 目 |
心電図 | 異常 なし |
軽度所見 あり |
要医療 | 老人保健事業における循環器疾患指導区分に関する検討 | |
眼底検査 | HOSO | H1S1 | H1S1より重度 | ||||
尿蛋白 | (−) | (+) | (++) | ||||
血清クレアチニン | 男〜1.29 女〜1.19 |
男1.30〜1.99 女1.20〜1.99 |
2.0〜 | 日本高血圧学会高血圧ガイドライン |
※ 特定保健指導の判定基準(血糖)
今回の献立の栄養量
エネルギー量 (Kcal) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
536 | 26.6 | 9.1 | 86.8 |
カルシウム (mg) |
コレステロール (mg) |
食物繊維 (g) |
塩分 (g) |
289 | 77 | 8.1 | 2.5 |