メタボリックシンドロームを解消しよう(5) 脂質異常症について
献立作成者:広瀬輝美 |
血液中に存在する脂質には、コレステロール、トリグリセリド(中性脂肪)、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類あります。
これらの脂質はそのままでは血液に溶けないので、リポ蛋白という容器に入れられて血液の中を移動します。脂質の流れを図に示します。
コレステロールの役割
コレステロールの約8割は、肝臓などの体内で作られ、残りの2割は食事から作られます。コレステロールは細胞膜の材料やホルモンや胆汁酸の材
料など体にとても大切です。一度吸収されたコレステロールは何回も再利用されます。
過剰なコレステロールは血管の壁に沈着して動脈硬化の原因になります。
体にとても大切なコレステロールを各組織に配送する役は、LDLコレステロールであり、各組織から余ったコレステロールを肝臓に戻す役は、H
DLコレステロールです。
この働きのためにLDLコレステロールは悪玉コレステロールと言われ、HDLコレステロールを善玉コレステロールと言われます。
中性脂肪の役割
中性脂肪は体のエネルギー源です。
食事からの中性脂肪は肝臓に運ばれます。
過剰にとりすぎた炭水化物は肝臓で中性脂肪に合成されます。
エネルギー源ですが、余った場合には皮下や腸間膜の脂肪細胞に蓄積されます。
この中性脂肪もコレステロールと一緒にリポ蛋白の容器に入って移動するので、間接的に動脈硬化の原因になります。
コレステロール値や中性脂肪値が高くても、「痛い」とか「苦しい」という症状がない為、知らぬ間に動脈硬化が進んでしまうことがあります。
次にコレステロールバランス図がありますので、ご自分がどの位置にいるのかを見てみましょう。
脂質異常の診断基準(空腹時採血)
(1) LDLコレステロール値が140mg/dL以上
(2) HDLコレステロール値が 40mg/dL未満
(3) 中性脂肪値が 150mg/dL以上
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版より
脂質異常症の予防としては食習慣の見直しが大事です。
(1) バランスのとれた食事をとりましょう。
なにをどれだけ食べればいいのか分からないときは、食品交換表を使ってみてはどうでしょうか。
(2) コレステロールを多く含む食品は、控えましょう。
(3) アルコールは、控えましょう。
(4) 食塩は控えましょう。
今回の献立の栄養量
エネルギー量 (Kcal) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
537 | 24.3 | 8.6 | 94.3 |
塩分 (g) |
コレステロール (mg) |
食物繊維 (g) |
カルシウム (mg) |
2.5 | 57 | 12.1 | 95 |